ニューヨークに本社を置く世界有数の経済誌であるForbes(フォーブス)。

そのForbesのWeb版で、日本産の仮想通貨である“モナコイン”の記事が掲載されています。


国産暗号通貨“モナコイン”とは
そもそもモナコインって何?という人のために、モナコインについて説明します。

以下はMonacoinProjectからの転載です。
モナーコイン(モナコイン)は2013年12月に誕生した日本初の暗号通貨です
有名なアスキーアート、「モナー」をモチーフにしています

モナーコインは誰かが管理・運営する中央集権型ではなく、各ユーザーのPCで実行されるクライアントプログラムによって維持される完全分散型の決済システムです

暗号通貨は世界的に投機的な面が強い傾向にありますが、モナーコインはユーザーによる様々なサービスの開発や、神社の建立、語呂合わせの投げ銭等、他のコインではあまり見られない使われ方が定着するなど、コミュニティ主体で発展を続けている暗号通貨です

ざっくり言うと、日本で作られたビットコインということです。
(モナコインはライトコインをベースに作られているので、厳密には日本で作られたライトコインと言うのが正しいのかもしれませんが…)

開発当初からネット上での投げ銭に使用されており、現在ではオンライショップや実店舗で決済できるところが増えてきています。

Forbesの記事について
肝心の記事の内容ですが、モナコインの成り立ちからこれまでの機能の改善の経緯や、Web上や実店舗でモナコインが決済手段で使えることなどが書かれています。

執筆者のJake Adelstein氏は日本に住まわれているジャーナリストの方のようで、間違ったことは書かれていないと思います。

また、仮想通貨やモナコインに詳しい方々へ取材し、モナコインの決済手段としてのメリットというプラス面について述べている一方で、ビットコインの新しいライトニングネットワークが普及した際のモナコインを含むアルトコインへの関心の低下や、言語の障壁によってモナコインの普及が国内にとどまっていることなど、マイナス面についても述べられており、概ね中立的な立場で記事が書かれています。

記事の最後は「幾らかのバーチャルなキャッシュを送って支援することで、単に“いいね”を送るよりも簡単に感謝の気持ちを表現することができます」という内容で締めくくられており、Jake氏個人としてはモナコインに対して好意的な感情を持っているように感じられます。

モナコインは実際にTwitterや掲示板のAskMonaなどで、感謝の気持ちや賞賛を送りたい相手への投げ銭として使われており(感謝の時は3.9monaや0.39monaが送られることが多い。サンキューの語呂合わせですね)、こうしたモナコインのコミュニティの文化をJake氏は理解しているものと思われます。

モナコインは言語の壁を越える必要があるか?
上の文で、モナコインの普及が国内にとどまっていることをマイナス面と書きましたが、実際のところどうなのでしょう。

モナコインはコミュニティの特性としてクリエイターの方が多く存在し、作品への投げ銭として使用されてきました。

現在ではサービスや商品の購入の決済として使える店舗も増えてきていますが、投げ銭ができるtip系のWebサービスも増えており、クリエイターへの投げ銭としての機能も強化されていると感じます。

こうしたことから、モナコインは創作活動を行う人たちへの支援やコミュニケーションの媒介として使われていくだろうと思います。

世界中の誰もがどんな場所でも使える決済手段を目指すような仮想通貨であれば、言語の壁を越えて世界に普及していく必要があると思いますが、モナコインはそういうことを目指すものではないように思います。

それよりも、まずはモナコインの独自性を確立していくことが重要だと思います。

その独自性が魅力的なものであれば、興味を持った日本国外の人が自らモナコインのコミュニティに入ってきて、さらに母国語圏の人々に拡散してくれるのではないかと思います。

とはいえ、モナコインは特定の誰かのものではないので、モナコインに関わる人がそれぞれ自分の好きなやり方でモナコインを使ったり、広めたりするのが一番いいのでしょう。

最終的に当たり障りのない意見になってしまいましたが(笑)